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物流センター最前線!①~品質管理を支える買取検品の仕組み~

公開日:2021年10月04日
Pharmarketの物流センターにおける買取検品の具体的な運用手順について、実際の検品風景を用いながらご紹介いたします。

弊社の「医療用医薬品の買取り&販売ファルマーケット」をご利用中の薬局様から、「Pharmarketの検品はどう行われているのか知りたい」というご要望をたくさんいただきます。


そんな声にお応えし今回は、ファルマーケットが医薬品を買取させていただく際の検品体制について、ご紹介したいと思います。薬局様から商品を受け取り、2段階の検品をし、商品画像の撮影を経て、保管棚に格納する一連の流れについて、順番にご説明いたします。


1.売却依頼商品の受け取り

まずは、お客様から商品が入った段ボールが届きましたら、中を開けて『売却申込伝票』を確認いたします。


商品と売却申込伝票を確認します


この『売却申込伝票』は、薬局様が弊社のWebサイトから売却の申込をしていただくと、システムが自動で作成いたします。帳票には、売却申込した医薬品の情報が全て記載してあるので、商品と同梱いただく書面とは別にお手元で確認するために保管している薬局様もいらっしゃいます。


ファルマーケットでは、この『売却申込伝票』を元に買取検品を進めていきます。検品がスムーズに進むよう、段ボールから医薬品を取り出すときに、伝票へ記載された順番にトレーへと並べていきます。


左:段ボールを開梱し商品をトレーに並べていきます
右:売却申込伝票順に商品を並べ検品を効率化します


トレーへ並べ終えたら、検品の工程へ進んでいきます。


2.目視検品とデジタル検品、2段階の検品工程

検品は、検品スタッフの目を使って確認する「目視検品」と、システムを利用した「デジタル検品」の、二重の検品体制としています。

目視検品

目視検品では、売却申込伝票を元に医薬品の現物と照らし合わせながら各種チェックを行っていきます。


伝票上の情報と実物を比較し、以下の確認項目に相違がないかチェックします。

  • 商品名
  • GS-1コード
  • 数量
  • 製造番号
  • 使用期限
  • 商品状態の確認(外箱、中身)


目視検品のステップで特に重要なのは、外箱と中身の製造番号が一致しているか確認する作業です。というのも、製造番号が一致していることで、外箱に記載されている期限が中の医薬品にも適用されることを担保しています。

製造番号の一致確認は、目視検品でもっとも時間のかかる工程でして、特に大変なのがPTPシートです。PTPシートの製造番号は刻印(彫られているタイプ)の場合が多く、記載されている記号や数字がとても判別しにくいです。そのため、判別するにはちょっとした工夫が必要で、シートを傾けて光が差し込む角度を調整しながら確認します。

ひと手間かかる部分ではありますが、薬局様や患者さんが安心してお使いいただけるよう、1枚1枚ていねいに確認しています。




製造番号の一致確認以外では、医薬品のタイプ別に目視検品で注意するポイントがあるのでちょっとご紹介します。


例えば、軟膏・クリームの蓋のトゲを使い開封するタイプ(チューブ入口が閉鎖されている商品)では、1つずつ蓋を開けて入り口部分に穴が開いていないか確認します。あわせて、チューブにつぶれが無いか確認します。

シップ・テープ剤では、箱の積み方によって輸送中にシップの袋がよれてしまう場合があり、もったいないと思いながらも患者さんに渡ることを考慮し、目視検品にて除外しています。貼付剤を売却される際には、段ボール内の配置にお気をつけいただけますと幸いです。


左:PTPシート1枚ずつ、外箱の製造番号とシートの製造番号が一致しているか目視確認します
中:チューブの開口部が封をされているタイプは、キャップを取り開口/閉口を目視確認します
右:PTPシートの刻印は見づらいので、光の確度を調整しながら判別します



目視検品が完了したら、続いてデジタル検品に進みます。



デジタル検品

売却申込伝票には、商品を識別するQRコードが記載されています。QRコードをハンディで読み取ることで、システムが商品を特定し、データ上で商品の突合チェックをかけることができます。


売却申込伝票と医薬品外箱のGS1コードを読み取り、データ上のチェックを行います



デジタル検品のタイミングでは、2回目の目視検品も同時に実施しています。同じスタッフが目視確認すると思い込みによる検品ミスの可能性が発生するため、必ず目視検品とは別のスタッフが担当いたします。

デジタル検品の処理が完了すると、倉庫内で管理するための専用ラベルが発行される仕組みになっています。この専用ラベルは、次の2つの管理目的に活用しています。


目的1:倉庫内でどの棚に格納したのか管理するため。

目的2:買取から販売までの、薬の流通経路を管理するため。



左:物流センター内で管理に必要な各種項目を管理ラベルへ印字します
右:管理ラベルは、管理の効率性や薬機法の観点を元に貼付位置を決定します


買取させて頂いた商品の品質をしっかりと管理し、販売先の薬局様、ひいては患者さまに安心してお薬を届けるため、倉庫内での管理は徹底しています。


3.商品の撮影

検品の最後の工程として、商品画像を撮影します。これには2つの目的があり、サイトで販売するときに商品画像として使用するためと、ファルマーケット内で商品状態を管理するためです。

すべての商品に対し、外箱の画像を2枚、シートの画像を2枚、計4枚の画像を撮影します。仮に包装変更が発生した医薬品を購入する場合にも、商品の画像をご確認いただくことで現在お使いの包装品を購入することができます。



画像の撮影には、独自開発した専用アプリを利用しています。商品を撮影することで、最適な画像ファイルをシステムが自動で作成するような仕組みを整えており、サイト掲載の効率化をはかっています。



左:商品ごとに適切な画像サイズになるよう調整して撮影します
右:医薬品の撮影に適した、独自開発の撮影アプリを使用しています

撮影が完了したら、商品の箱をテープで閉じます。このテープは、薬機法に準拠した形式となるよう行政と相談のうえ作成した、オリジナルのデザインです。


左:封かん用のテープにも、薬機法に準拠した必要事項を印字しています
右:開封してある商品が輸送中に散乱しないよう、しっかりと封をします


4.保管棚への格納

買取検品の最後の工程は、棚への格納です。ファルマーケットでは、商品の格納と販売時のピッキングという2つの工程を同時に効率化するため、格納場所のデジタル管理を組み合わせた『フリーロケーション』という方法で医薬品を管理しています。


『フリーロケーション』とは、商品を決まった場所ではなく空いたスペースに格納する手法です。決まった場所に格納する場合は、商品ごとに配置を覚える必要があります。しかし、フリーロケーションであれば空いている場所に格納できるので、作業スタッフが配置を覚える必要がありません。そのため、格納効率を高めることができます。


全ての格納場所をデータ管理しています。デジタル検品の工程で発行した専用ラベルを活用し、どの場所に何の薬を格納したのかシステム上に登録します。同じ名称の医薬品でも格納場所が様々なので、データ管理は必須となります。



格納位置をデータ管理することは、販売商品をピッキングするときの効率化にもつながっています。


医薬品の格納配置を元に「どの順番で商品をピッキングすれば、最も移動が少ないか」という移動距離を考慮したピッキングリストをシステムが作成するので、商品を集める作業も無駄をなくすことができています。


保管棚のバーコード情報を元に、商品へ格納位置の情報を紐づけます




以上、ファルマーケットが医薬品を買取させていただくときの検品工程になります。



薬局様からお売りいただくお薬は、必要な薬局様にとって貴重な医療資源です。薬局様が安心して患者さんにお薬のお渡しができるよう、ファルマーケットがお薬の安全な橋渡しをすることが重要だと考えています。

そのため、ミスを防ぎながら検品スピードと品質を担保した、万全な検品体制を整えています。

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