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在庫管理と薬歴をひとつに。カケハシが描く、薬局システムの理想系とは?

公開日:2021年09月05日
患者さんと薬局・薬剤師の薬局体験の向上をテーマとしたサービスのカケハシが、対物業務領域であるPharmarketをグループ会社化したのか。背景にあるエピソードや、今後カケハシグループのビジョンについて、カケハシ・代表取締役社長の中尾豊へPharmarket・代表取締役の髙山仁がお聞きしました。

右:株式会社カケハシ  代表取締役社長 中尾豊

左:株式会社Pharmarket 代表取締役 髙山仁


Pharmarket山:

2021年4月にファルマーケットはカケハシグループに参画しました。

カケハシは、薬歴業務と服薬指導をサポートする薬局体験アシスタント「Musubi」から始まり、患者フォローを半自動化するおくすり連絡帳アプリ「Pocket Musubi」そして、薬局業務“見える化”クラウド「Musubi Insight」といった、患者さんと薬局・薬剤師の薬局体験の向上をテーマとしたサービスの会社という印象です。


そのカケハシが、なぜ対物業務領域である当社をグループ会社化したのか。背景にあるエピソードや、また今後カケハシグループとして目指すビジョンについて、あらためて代表の中尾さんにお話を伺いたいと思います。



カケハシ中尾

よろしくお願いします。


私自身、会社経営や事業を創る際にいつも意識している考え方があります。

それは現状からの発展・進化という時間軸のベクトルではなく、まず理想の姿、究極の形を思い描いた後に、そこからいま足りない部分を補完・逆算しながら模索していくというものです。


今日は、まずは最高の薬局であったり、薬剤師としての最高の働き方、患者さんにとって最高の薬局体験といったテーマからお話ができたらと思います。


まず理想の患者体験から考えてみますと、患者さんが薬局に求めていることは『自分の好みの薬、飲みやすい薬を、即座に手に入れられること』だと思います。OD錠や味の違いなど、自分好みの薬がいつもの薬局に行けば確実にあるという状況をいかにスムーズに作れるか。これがまず問われることだと思います。


一方で緊急性という概念もあって、例えば在宅医療において、自分の嗜好性とは別に急遽必要な薬が発生してしまったときに即座に届けてもらえる体制というのも、患者さんから強く求められていることです。



Pharmarket髙

確かに患者さんからすると、薬局は薬をもらう場所、というのがまずはじめに頭に浮かぶと思いますし、薬剤師による服薬指導やフォローなどはまだまだ付帯的なサービスという認識の方が多いのが実情ですね。患者ニーズの第一が「欲しい薬が欲しいときに手に入る」というのは納得です。


カケハシ中尾

つぎに、その患者ニーズに対して薬局がすべきことを考えてみると、その難易度の高さに改めて気づかされます。


薬局があらゆる患者さんに対して「欲しい薬が欲しいときに手に入る」よう準備するには、まず「その患者さんが再来されるのか」を把握しなければなりません。さらに、先ほどお話ししたような「剤形など患者さん個人の嗜好性の問題」と「医療インフラとして対応が求められる緊急性の問題」もあります。複数の店舗をもつ法人の場合、どのお薬をどの店舗に在庫しておくかという管理の問題もあるでしょう。他にも、検討すべきポイントはさまざまです。

私は以前、大学院で経営学を学んだ経験があり、薬局業界の急激な環境変化、つまり高齢社会、財政悪化、技術料の引き下げ、薬価差益の悪化といった外部環境の変化によって、薬局経営がますます厳しくなっていくことが確実視される中、いかにそれを乗り切るか考えていました。その解決策の一つに、「欲しい薬を欲しいときに」という理想を実現するための、新しい在庫管理という観点があるのではないかと考えたんです。


近年、対物業務から対人業務へのシフトが叫ばれるようになっているのは周知の通りです。在庫管理は対物業務の一つだとイメージされることが多いかと思いますが、本来これは「欲しい薬を欲しいときに」という患者さんの医療体験を左右するきわめて重要なプロセスです。対物か対人かと単純に業務を切り分けるよりも、何をもって患者さんへの提供価値を高めていくかという観点で一連の業務を見直していくことが大事だなと感じています。



Pharmarket山:

確かに欠品を防ぐために在庫管理をしっかり行うことって、患者さんには見えにくい部分ですし、薬局に行ったら、自分が欲しい薬が在庫してあるって、当たり前だと感じるかもしれませんが、実はとても大事なことですよね。


ちなみに中尾さんは、カケハシの創業時からこうした薬局の課題に対して薬局経営者の方にヒアリングを積み重ねてきたとのことですが、在庫管理業務における現場の課題や薬剤師の業務にはどんな問題があると思いますか?



カケハシ中尾:

個店はもちろん1,000店舗規模の薬局までさまざまな方にお話を伺いたくさんの学びを得たのですが、特に在庫管理・発注業務につていは、どこまでいっても属人的な状況になっているという事実を知ったんですね。


さらに多店舗展開をしている薬局では、店舗間で在庫融通をする際においてもやはり属人的な判断で業務を行っていることも知りました。


薬剤師の工数が圧迫されている現実を目の当たりにして薬局法人として取り組まなければならないのは、迅速に薬を届けられる範囲の中に、どれくらいの量をどの店舗に在庫するかという計算はもちろん、それを店内のスペースも加味しながら、かついかに人の手をかけずに正確に実行するのかだと思いました。


しかも薬局の中にこの問題を解決するスペシャリストが少ないということも感じました。



Pharmarket髙山:

在庫管理は、どうしても属人的になりがち、ということは私も感じていました。以前お伺いした薬局でも、壁掛けの大きなカレンダーにびっしりと患者さんのお名前と薬が次回予定日の欄にメモ書きされているのを拝見しまして。


それがあまりにも細かく丁寧に書き込みされていたので大変驚いたのですが、経営者の方も「まるで新聞紙みたいでしょ(笑)。ほんとうに良くやってくれてるよ」と称賛する一方、「このメモ書きをしている薬剤師しか発注業務ができなくなってしまっている」とも仰っていたんですね。


患者さんの個別事情を考えていくと、発注在庫管理はどうしても人力の管理になりがちというのは理解できますが、属人的であるということは経営にも顧客に対してもリスクがあると感じましたね。


カケハシ中尾

大変な作業だと想像できます。

薬剤師は患者さんとの接点が多いですから、自ずと患者さんの生活スタイルや来局スケジュールをイメージしながら発注するようになり、結果的にどうしても業務を抱え込んでしまいがちです。


「そもそも薬剤師に期待される専門性というのは、在庫管理で必要な業務スキルとは違うところにあるのでは?」と私は思っています。


商品の在庫管理だけが薬剤師の仕事ではないはずで、処方監査や、副作用のチェック、アセスメントなど、薬剤師でしかできない大切な業務が他にたくさんあります。極端に言えば、在庫管理は薬剤師がやるべき仕事ではないと言うこともできるかもしれない。

とはいえ、調剤事務の方がそのスペシャリストになるべきかというと、それもまた本質ではないと思います。


では、どうすべきか。在庫管理はテクノロジーでカバーすべき領域だと考えています。



Pharmarket髙山:

カケハシが薬歴だけでなく、在庫管理のためのシステムも手掛けるようになったきっかけがそこなんですね。薬剤師の専門性を患者さんに向けるためにも、在庫管理はシステムが担うべきだと。



カケハシ中尾

そうですね。ヒトの流れの管理である薬歴とモノの流れの管理である在庫管理が一体化した仕組みを、いつか必ず実現したいと考えていました。


例えば、この患者さんは来週引っ越しされるので来月は来局しないといった患者情報を、薬歴から在庫管理側に伝え、その法人内の別店舗で最適な在庫配置を計算するといった構想です。


まさにこれは、テクノロジーの力で支援されるべき領域だと思います。


Pharmarket髙山:

なるほど。はじめから薬歴と在庫管理システムの融合を意識されていたんですね。



カケハシ中尾

カケハシは、ヒトの流れとモノの流れを最適化するという構想をもった上で2017年に電子薬歴からスタートしました。おかげさまで業界内ではMusubiの認知度も高まり、Musubiの「服薬指導をしながら薬歴作成を完成させる」という仕組みも次第に受け入れていただきつつあると自負しています。


そして2020年にいよいよ在庫管理システムに着手しようと考えていたその矢先に、ファルマーケットという、対人業務を大事にしながら対物業務の改善に取り組む会社に出会いました。


高山さんと初めてお話をしたときから、ファルマーケットには私たちと同じ目線、同じビジョンがあるとすぐに気がつきましたし、強く共感しました。

また、在庫管理と二次流通の連携というまったく同じ構想をもっていたことに驚きと感動すら覚えました。


ファルマーケットの物流センターも見学しましたが、徹底した品質管理と検品の様子をみて、安全・安心への取り組みをきちんと実行している信頼できる会社だと確信したんです。



Pharmarket髙

仰るとおり当社では服薬フォローサービスの開発など「患者さんに寄り添う薬局を支援する」という企業理念のもと、薬局にも患者さんにも喜ばれる医薬品二次流通の実現を目指してきました。


カケハシが思い描く理想的な患者体験の実現、そして理想的な薬局・薬剤師像の実現に向けて、我々も微力ながら何とか貢献したいと思います。


カケハシ中尾

今後、薬局の経営環境がより厳しくなっていくと言われているなか、医薬品の過剰在庫や廃棄の防止は、コスト削減に直結する重要な取り組みになると思います。


不動在庫を完全にゼロにすることは極めて困難です。システム化によって在庫管理の精度を高めると同時に、ファルマーケットの買取サービスを利用することで、より確実に廃棄リスクを減らすことができるようになります。


さらに二次流通品の購入を取り入れることで、患者さんに必要な量だけを仕入れることもできるようになり、より効率的な在庫管理が可能となります。


薬歴と在庫管理・二次流通という一連の流れをトータルにサポートする私たちのサービスが、理想の薬局づくりの後押しになればと願っています。


Pharmarket山:

ぜひ多くの薬局に興味をもっていただき、皆さまが描く薬局像へ近づけるお手伝いができれば嬉しいですね。


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