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2500品目の面薬局が、「AI」に在庫管理を任せて変わった薬局経営

公開日:2023年03月30日
発注作業・在庫管理の効率化は、対物から対人シフトのためだけではなく、地方における薬局の存在意義から考えて、欠かせない要素である。 そんな思いで『Musubi』のAI在庫管理機能を活用し、発注にかかる業務時間を半分以下にしたのが、鳥取県琴浦町にある「ことうら薬局」の松本恵吾さんです。薬局の開設者兼管理薬剤師である松本さんが考える、「人口減少社会における薬局の存在意義や果たすべき役割」とは何でしょうか。2022年1月の導入後、薬局内に生じた変化と共に伺いました。

※こちらの記事はカケハシ社の記事を転載しています。実際の記事はコチラ

処方箋の集中率が20%を切る面薬局の「課題」

私たちの薬局は、2020年に事業譲渡を受けて再スタートした、処方箋の集中率が20%を切っている面薬局です。総合病院や大学病院で三つくらいの診療科を回ってから、ご自身の自宅近くにあるこちらに処方箋を持ってきてくださる、といった患者さんも少なくありません。出ていった薬を見て、次の来局のために準備をしておく、といったオペレーションで対応している患者さんも10~20人はおります。重たい処方の監査も必要ですし、いかに対物業務を効率化するかが課題でした

私自身、事業譲渡をきっかけにこちらで働き始めた当初、「発注漏れがこわい。これは在庫を覚えないとどうしようもないぞ」と腹をくくって。最初の1、2カ月は、閉店後に近場で夜ご飯を食べたら、その日に出た薬の確認のためにもう一度薬局に戻ってきていましたね。レセコンの在庫システムを使っても、メーカーの違いやバラの数え方などは合わず、どうしても「箱から出したら発注」するしかありませんでした


価格を比較し「試しやすそう」



近年、在庫管理の新しいシステムが増えているということ自体は知っていましたし、2年前の展示会では複数の製品を見比べていました。ただ、率直に言うと、月に数万円という金額帯が、はじめの一歩を踏み出すには「高い」と感じて。その中で『Musubi』が新しくAIを使った在庫機能を始めていて、月数千円という点に「これは試しやすそう」と思いました在庫管理や発注業務を「人」がどんなに頑張っても、欠品するときは欠品してしまう。だったらAIに任せようかな。そう考えるようになった時、真っ先に『Musubi』のAI在庫機能が候補として思い浮かびましたね。

発注や在庫管理業務は、計2時間→半分の1時間へと短縮

導入当初は「欠品が不安でも、効果を知るためにまずはシステムに頼ろう」と決めました。『Musubi』のAI在庫機能に任せてみて変わったのは、発注や在庫管理に関わる業務の時間。1日で合計すると2時間くらいかかっていた業務が、半分の1時間くらいに短縮され、発注業務以外に使える時間が増えました。最初はどうかなと心配もありましたが、頼ってみたことで導入前後の変化が分かりやすくなりました。

また、事務職員の方にも、すんなりと操作方法を覚えていただけたのがよかったです。具体的には、まず特定医薬品の管理や不足している薬剤の見方からお伝えし、そのあと「おすすめ発注」をざっと見て必要そうなものをお願いする、というふうに段階を踏んでお伝えしました。


AIによるおすすめ発注の画面(イメージ)

システム上で在庫と患者さんの来局予定がひもづいているのも便利で。私以外の職員さんにも、あっという間に使い方を覚えていただいて、発注業務のかなりの部分を頼れています。


「薬剤師でなければできない業務」へとシフト

私たちの薬局では在宅業務も積極的に取り組んでいるため、私を含む薬剤師が患者さんの自宅だけではなく、医療機関や介護施設など様々な所への外出が頻繁にあります。また、日曜も営業することで、地域のニーズに応えていこうとしています。

AIによる在庫管理のようなシステムを活用し、対物業務を効率化させる。それによって、薬剤師業務を薬剤師でなければできないことにシフトさせ、地域のニーズをしっかりと拾っていきたい。そんなことを考えています。

優秀な人材に選ばれる。目指すのは、ボトムアップ型の薬局経営

これからはさらに店舗マネジメントや人事労務管理に力を入れていきたいです。

店舗を増やしていく中、従業員の働く意欲を高めるにはどうしたらよいか、優秀な人材に選ばれる組織になるためにはどうすればよいか。そう考えると、従業員が休みたい時に休めること、負担に感じる業務を変えていくことが必要です。システムを導入する際にコストは気になるところですが、システム活用が従業員が働くうえでプラスになるのであれば、積極的に検討したいです。

あともう一つ感じているのは、薬局経営において、既に存在する薬局の立地はなかなか変えられない一方、そこで働く人たち自身が変化していくことは可能なのですよね。これを求職者の立場から考えると、「大手ではなくて、ここがいい」というふうに私たちのような小規模な法人を選んでいただかなければ、生き残っていけない。

優秀な人材をしっかりと定着させる、ボトムアップ型の薬局経営に力を入れていきたいです。


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