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事業承継後の経営基盤を「ファルマーケット」「premedi」「Musubi AI在庫管理」で強化させるには?

公開日:2025年02月17日
事業承継した薬局をサステナブルに刷新する取り組みは、ひいては地域のためになる。そんな思いでチャレンジを続けるのが、福岡県朝倉市で渡辺調剤薬局(有限会社タイヨウ様)です。「ファルマーケット」と「Musubi AI在庫管理」、Pharmarketが医薬品販売パートナーを務める「premedi」など、複数サービスの活用によって非薬剤師へのタスクシフトの推進と共に不動在庫を整理。地域支援体制加算1の要件の達成も相まって、経営の基盤が安定しつつあるといいます。事業承継後の2年間における具体的なサービス活用例と、今後の薬局経営についてインタビューしました。

有限会社タイヨウ 渡辺調剤薬局 今給黎誠(いまぎいれ・まこと)様

1.薬局の概要

事業承継したここで目指したい「理想の薬局」のカタチ

Q.渡辺調剤薬局について教えてください。

「健康を支え、お薬を減らすお手伝い」をスローガンにする、福岡県朝倉市の薬局です。在宅医療や栄養サポートなど幅広いサービスを展開し、また公認スポーツファーマシストが在籍する薬局としてアスリートの皆様を応援し、健康とパフォーマンスの向上をサポートする商品も取り揃えています。

開局してから約30年。地域のみなさんのかかりつけ薬局として選んでいただき、門前の医療機関だけではなく、大学病院の処方箋を持って来局する患者さんもおられます。

私は以前はチェーン薬局で勤務していたのですが、ご縁があり2022年夏ごろに事業承継し、今に至ります。

「健康を支え、お薬を減らすお手伝い」とのスローガン通り、店舗内もOTCだけではなく、幅広い商品を取り揃えていますね。

はい、学会や勉強会で説明を聞き、納得した商品を選ぶようにしています。また、体調を崩して来局した方の「ついでに購入」、ご近所の人が生活必需品を調達に、といったニーズにも応えられるようにしています。

Q.チェーン薬局の薬剤師を経て、自身で薬局経営をしようと思った背景を教えてください。

私が薬剤師として一番取り組みたいと思い続けていることは、「調剤、在宅、物販、漢方」の四つです。「健康を支え、お薬を減らすお手伝い」と考えるとおのずと挙がってくる。ただし、ともすれば薬局経営において「費用対効果が低い」とみなされる---。それでも私は、「患者さんの健康に貢献する」という目標に向かった時、薬局薬剤師がやるべきことはこの四つではないかと思っているのです。

そんな自分の「実現したい薬局」を考えると、経営者の道を歩むことが最善だ、と考えたのです。

2.Pharmarket(ファルマーケット)導入経緯と活用方法

直面した在庫管理の課題。解決に導いたのは、三つの課題整理×「ファルマーケット」「premedi」「Musubi AI在庫管理」のシナジー

Q.ファルマーケットへのご登録のきっかけを教えてください。

以前勤務していたチェーン薬局では、電子薬歴・服薬指導ツール「Musubi」を使っていました。グループ会社にPharmarketがあることはなんとなく知っていて。自身で薬局運営するようになり、在庫の課題にぶつかった時、真っ先に思い浮かんだのがファルマーケットだったのです。

在庫の課題というのは、どのようなことだったのでしょうか。

志を掲げて引き継いだのですが、まず直面したのは在庫管理に関わる課題でした。ここで見えたことを整理すると、以下の三つになります。

(1)不動在庫や期限切れの医薬品をいかに整理するか

(2)マニュアルが存在せず、アナログだった医薬品の在庫管理をどのようにするか

(3)地域支援体制加算1の取得に必要な品目数の確保をどうするか

課題がしっかりと整理されていますね

今振り返ってみるとこのように整理できますが、渦中にいた時は「何とかしないと」という気持ちでした。新しいスタッフを迎え入れていくにしても、この課題を整理することが先決、という思いで踏み出したといったところでしょうか。

まず、(1)使っていない医薬品や期限切れの医薬品をいかに整理するか。ここでファルマーケットを活用しました。売却可能な医薬品と廃棄する医薬品に分け、買い取り可能なものをファルマーケットに送りました。

次に、(2)マニュアルが存在しなかった医薬品の在庫管理をどのようにするか。以前はレセコンの在庫管理機能が十分に活用されておらず、特定のスタッフが当日の実在庫を目視で確認し、記憶にある今後の来局予定患者の分も合わせ、手書きの紙で発注する。そんな属人的かつアナログな在庫管理がこれからも継続できるのか、気になっていました。

そして(3)地域支援体制加算1の取得に必要な品目数をどのように担保するか。(1)で医薬品を整理したところ、900品目ほどになってしまうことが判明し、これでは地域の医薬品供給拠点の役割としても不十分ですし、地域支援体制加算1の要件も満たせません。そこで、特定の患者さんにしか処方されていないような薬剤、痛風発作治療薬など必要な場面があっても処方が限られている薬剤は、Pharmarketが医薬品販売パートナーを務める「premedi」を活用することに。全体の在庫とのバランスを取りながら、1200品目を上回れるようになりました。

3.Pharmarket(ファルマーケット)導入後の変化

事務スタッフが活躍を引き出すために欠かせない環境整備

在庫管理の課題に向き合ったことで、対物業務の効率化に加え、地域支援体制加算1の取得にもつながったのですね。

はい、その中でも中長期的に効いているのは、経営者として各サービスの登録やシステム導入の意思決定をしていた。そんなシンプルなことです。このおかげで、今では在庫にまつわるあらゆる業務を、事務スタッフが一手に担っています。

もう少し詳しく聞かせてください

(1)の「使っていない医薬品や期限切れの医薬品の整理」を進めて、調剤棚の見た目がすっきりしました。そのころを見計らって、新たに事務スタッフを1人採用。過去に個店・チェーン薬局いずれの経験もある即戦力スタッフとはいえ、「ファルマーケット」「Musubi AI在庫管理」「premedi」いずれも初めて触れるものだったと言います。

それでも、システム上の表示(UI)を見ながら、自力でどんどんと「ファルマーケット」での売却を進め、「premedi」での小ロット品のリコメンド機能を使いこなしていました。聞いてみると「日ごろからスマートフォンを使っているので、その操作に近い感じです」とのこと。さらに「Musubi AI在庫管理」の管理画面上から「ファルマーケット」での売却ができる機能連携がスタートし、さらに時短につながっています。感覚としては、「ポン、ポン、ポン」くらい手軽ですし、後から入社したスタッフも問題なく使えています。

このように振り返ると、今回進めてきたのは「事務スタッフが活躍できるツールの導入」であり、さらに「事務スタッフが利益を生んでくれる体質に変わる手段」でもあった、という感覚です。

※Musubi AI在庫管理の具体的な取り組みについては、グループ会社「株式会社カケハシ」のHPに掲載されています。

なるほど、システム導入を人材活用の一環としてとらえるということですね。

おっしゃる通りです。少し視点を変えると、医薬品流通の問題は売上との関連だけではなく、薬剤師として「もっとできることはないのか」と悩んできた分野でもあります。ただ、経営者兼薬剤師がここにかけられる時間は限られていて...

もう少し詳しく聞かせてください。

在宅訪問のため患者さんのご自宅に行くと、山のように処方薬が余っている光景を幾度となく目にしてきました。薬という「モノ」ではありますが、製薬企業、医薬品卸、医師、薬剤師が関わって患者さんの手元にあるものであり、そこにはさまざまなコストがかかっています。

このように埋もれてしまう薬が適正に流通されることはできないのだろうか。在宅の現場で残薬を目の当たりにしたことがある薬剤師は、誰もが一度はそのように感じた経験があるのではないでしょうか。

さらに言えば、「患者さん宅にある残薬」も「薬局の不動在庫」も、使われないのであれば近しい構造にあると思っています。SDGs(持続可能な開発目標)という言葉を耳にするようになって久しいですが、まさに薬局業界が取り組むべきことなのでしょう。

ですので、「ファルマーケット」の活用をはじめとしたシステム導入は業務の効率化はもちろんのこと、医薬品流通の適正化という大きな社会課題に対して、まずは自分の薬局でできる一歩に取り組めているという思いです。

Q.最後に、渡辺調剤薬局の今後の展望についてお聞かせください。

事業承継後の2年間、「患者さんにしっかり向き合う」「経営の基盤を構築する」今が築けているのは、在庫管理の課題からスタートしたことが功を奏しました。これからますます、「健康を支え、お薬を減らすお手伝い」に向かって、頼もしいスタッフのみなさんと一緒にこの地で邁進していきたいです。

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