『今、ほとんど廃棄はない。』DX化に取りくむ薬局の工夫と想い
薬局の概要
すべては”患者さんのために”。創業から変わらぬ強い想い
Q.御社について教えてください。
当社は、熊本市内で2店舗の薬局を運営しています。2014年に1店舗目を創業し、2店舗目となる南熊本店(以下、当店)は2020年に開局しました。
当店は、脳神経外科病院の門前薬局です。来院数の多い病院なので、薬剤師は常時4〜5人、調剤事務をあわせて7人ほどの体制をととのえています。
Q.開局のきっかけについて教えてください。
(内田先生は)もともと製薬会社のMRとして30年間勤めていたんです。日々、医師や薬剤師がはたらく医療現場へ足を運ぶなか、「もっと患者さんに近い場所で、患者さんに喜んでいただけることをしたい。」と思うようになりました。担当させていただいた何人かの先生に院外薬局の相談をして、2014年12月に1店舗目をオープンすることができました。
1店舗目をオープンしてからは患者さんの満足度を第一に、設備の充実やオペレーションの試行錯誤をくり返してきました。従業員と相談しながらととのえた体制が、2店舗目にも生かされています。
両店舗とも門前ですが、患者さんをお迎えし調剤するだけでなく、病院や地域にとっても意義のある存在でありたいと願っています。薬局だけで成り立つのではなく、病院あってのうちですから。
また、遠くからかかりに来ている患者さんも多くいらっしゃいます。少しでも居心地よく過ごしていただけるよう、待合室には一人ずつ座れるイスをご用意しています。足腰の負担を少なくするため、座面が高く立ち上がりやすいイスを採用しました。
「来てよかった。またこの薬局に行きたい。」と思っていただけるよう、患者さんが過ごされるスペースへの配慮を大切にしています。
Q.受付にたくさん飾ってある賞状は、どのような内容なのですか?
認定薬剤師の資格を飾っています。糖尿病薬物療法認定薬剤師など、専門知識を積極的に身につけ、患者さんに安心して来てもらえる体制をととのえています。
また、調剤事務の4人中3人は登録販売者資格を取得しています。あと1人は今期の試験結果待ちなので、もう少しで全員が有資格者になります。結果が待ち遠しいです(笑)
薬剤師だけにとどまらず、対人業務にたずさわる全員が薬学的知識をもっているので、患者さんに安心してお越しいただけると良いなと思います。
Q.調剤室には、さまざまな種類の機械が導入されているのですね。
はい、機械導入にはこだわりましたね。散剤や一包化の患者さんが多いので、各作業に対応した全自動分包機を備えています。
一包化の監査は人の目だけではなく、監査システムを組み合わせたダブルチェック体制にしています。一包化をやり直す際は手作業でおこないますが、封をするためにセロテープではなく、衛生的にとじられるヒートシーラーを使用するようにしています。
やはり、患者さんに気持ちよくお薬を受けとっていただきたいので、こうした細かな機械も取り入れています。
また、レセプト入力と連携するシステムを多数取り揃えることで対物業務を効率化し、患者さんとのコミュニケーション時間をふやす工夫もしています。
在庫管理とPharmarket(ファルマーケット)の活用方法
『緻密な在庫管理』×『不動品売却』で廃棄ゼロに
Q.医薬品棚も大きいようですが、どのように在庫管理されているのですか?
大きな病院の門前なので、取り扱い数が増えても対応できるように大きめの棚を使用しています。現在の在庫は1380種類ほどですが、2500種類の医薬品をおけるスペースを用意しています。
在庫管理は発注から不動在庫管理まで、需要予測してくれるシステムを導入しています。
アナログ管理は極力減らすようにしていますが、特に注意して管理が必要な医薬品は棚を分けて個別にチェックしています。
Q.ファルマーケットはどのような経緯で導入されたのですか?
一番の決め手は、カケハシグループである安心感ですね。
当社はMusubiを導入していて、その実績からも信頼して利用できるかなと思いました。
当店ではオープン当初からMusubiを使用していますが、1店舗目は導入後、薬歴入力が断ぜん早くなりましたよ。平均1分たらずで終わるので、薬歴入力での残業はゼロです。
ファルマーケットは、品質管理や検品体制がしっかりしているので、その点もふくめて利用してよかったなと思います。
Q.ファルマーケットをどのように利用されていますか?
在庫をデータ管理しているので、普段から気づいたときにファルマーケットへ売却し、整理するようにしています。
ファルマーケットへ売却する医薬品は、Pharmarket売却用のかごへ入れています。
売却申込時に医薬品情報の入力が不要で、送るだけの『おまかせ査定』申込みが便利で助かるんです。15箱以上の売却から『おまかせ査定』を利用できるので、一定数の不動在庫がたまったら売却するようにしています。
また、ファルマーケットは二次流通品の購入もできますよね。当社は不動在庫処理のひとつとして、近隣薬局との交換も行なっていますが、ファルマーケットの購入サービスも信頼できる管理体制の医薬品が販売されているので、有効活用していきたいと考えています。
ちなみに、熊本県薬剤師会では『更新くん』というデータベースが公開されていて、他の薬局の在庫をみることができるんです。緊急で必要な薬がでた際、卸から仕入れるよりも近くの薬局から仕入れる方が早いので、卸と使い分けています。
データで在庫管理し、不動在庫はファルマーケットへ手軽に売却できるので、今、ほとんど廃棄はないですね。
Q.『Only』や『デッドストック』と書かれている棚がありますね。詳しく教えてください。
Only棚にはひとりの患者さんだけが使う医薬品、デッドストック棚には不動になった医薬品を保管しています。
このふたつは特に注意して管理が必要なので、棚を分けて保管しています。
『箱』と印をつけているのは、売却するときに箱が必要なので、箱を捨てないための目印です。
ファルマーケットの『在庫管理テープ』プレゼントキャンペーンでもらった、自由記入ができるマスキングテープを使っていますよ。出る頻度の少ない医薬品が不動になったとき、ファルマーケットへの売却には箱が必要なので印をつけているんです。
薬局の目指したい姿
医療機関との連携で、さらに高い満足度を患者さんへ
Q.今後の展望についてお聞かせください。
「病院で治療し説明を受けてよかったな。」「この薬局で薬をもらってさらによかったな。」と患者さんに思っていただけるよう、病院や地域と連携することで、1 + 1=2ではなく3や4になるように、引き続き頑張っていきたいですね!
また、ありがたいことに優秀な薬剤師が集まっているので、さらに薬剤師が活躍できるよう、今後もデジタル化と業務の効率化を進めていきたいと思います。